Research Interests

研究内容



1. 植物培養細胞系による二次代謝産物の生産

 高等植物やコケ植物の培養細胞が生産する二次代謝産物の分析を行っている。 一般に脱分化した培養細胞は、親植物では検出される二次代謝産物を生産しなくなることが多い。 しかし、我々の研究室ではこれまでに、コケ植物数種類の培養細胞でテルペノイドを親植物と同等に生産する系を確立した。 また、最近になってヤナギタデ培養細胞がカテキン類を大量(葉や茎の約10倍;乾燥重量当たり約6%)に生産することを見いだした。 この細胞系は成長の早い対数増殖にカテキン類を最も多く生産することから、培養系を用いたカテキン類の大量生産が可能になった(特許出願公開番号:特開平9-224689)。現在、茶の培養細胞系を用いて同様な研究を進めている。



2. 植物細胞の形質転換による二次代謝産物の生産

 カテキン合成系酵素遺伝子を単離し、それらの発現パターンについて研究している。さらに、そ れらをヤナギタデや茶の細胞に導入して形質転換させ、カテキン高生産の培養細胞系の確立を試 みている。



3. 植物の坑酸化物質に関する研究

 細胞に害を与える活性酸素や脂質ラジカルなどの働きを抑える抗酸化物質を植物で探索し、それらの作用と植物細胞の応答について研究している。



4. 植物培養細胞における染色体変異と形態形成能

 植物培養細胞は継代培養の繰り返しにより、さまざまな染色体変異を生じる。これら変異の種類と再分化能の関係を研究している。