(2) 葉緑体分裂に関与する遺伝子群の
コケ植物での機能の解析

研究内容(1)のところでも述べましたが、葉緑体の分裂機構は、原核生物であった共生体のシアノバクテリアのシステムと、ホスト側のシステムの2種類のシステムの融合したもののようです。葉緑体分裂に関与する原核生物型のタンパク質としては研究内容(1)で出てきたFtsZ以外に、大腸菌で分裂面の位置を決定しているMinD・MinEタンパク質、シアノバクテリアで細胞分裂に関連していると考えられているFtn2(Arc6)、ARTEMISがあります。また最近では、SluAというものも見つかりました。一方、ホスト側としては、葉緑体型ダイナミンタンパク質が挙げられます(下の図の緑)。葉緑体型ダイナミンは分裂の最後の部分を担っていると考えられています。


葉緑体分裂時のダイナミンタンパク質の機能の模式図

図 葉緑体分裂時のダイナミンタンパク質の機能の模式図

 

また、FtsZタンパク質と似ている部位を持つArc3タンパク質も知られています。

我々の研究室では、ヒメツリガネゴケからMinD・MinE遺伝子や葉緑体型ダイナミン遺伝子を単離しており、その解析を進めています。

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