動物生理学研究室
講師: 佐藤 栄治
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細胞と細胞とが電気で交信する? ― 発生学と生理学のあいだ ―

大事な脳の神経細胞、肝心かなめの肝臓細胞、心筋細胞いずれも電気で交信しています。
 「ギャップ結合」といい「土管」どうしがつながった形をしています。

そこを荷電したイオン(イオン電流)や小さな分子が通過します
イモリ イモリの卵
卵の桑実期細胞を使います
実験装置の図と風景
まだ分化してないときを胚といい、この時の表皮細胞も電気でつながっています。
それだけでなく、
神経や筋肉の細胞と同じように活動電位」を発生します。
でも、発生がすすむと消えていくのです。なぜなのか?よくわかっていません。
このことは世界で最初にAlan Robertsという研究者が見つけました。彼は、この活動電位の波形から「Cardiac-like Impulse(心筋のようなインパルス)」と言って、心臓細胞の活動電位のようだと言っています。

この表皮から出る活動電位の意味を考えてみると、「この胚の時期には、心臓はあっても血管が発達してないので皮膚呼吸とこの表皮活動電位が関係しているのでは」と推測してます。

たとえば心臓の筋肉にギャップ結合があり、心臓における活動電位の伝播をとおして心筋の収縮に関係していることから心筋疾患とギャップ結合の関係が問題にされています。

表皮細胞へのガラス電極の刺し方活動電位記録まで 発生につれ現れ、やがて消えていきます。時間経過の速いものと遅いものがあります