眼神経節(X器官-サイナス腺)の組織
 眼柄を持つ甲殻類では、眼柄組織は終髄、内髄、外髄の神経節と視神経球層、複眼からなる。各神経節には神経分泌細胞の集団があり、それらの細胞の軸索は太い束となって内髄背側に達し、多数の軸索末端はサイナス腺を形成する。
 終髄にある神経分泌細胞は終髄X器官 medulla terminalis X organ(一般にX器官 X organと呼ばれる)と呼ばれ、数種類の神経分泌細胞からなり、X器官-サイナス腺系 organ-sinus gland systemを形づくる。
 この系は多数のホルモンの生産源である。X器官は、なまの状態では青白色の塊として見分けられ、動物の種によって終髄の腹側基部に存在したり、終髄の基部と少し先の方との2箇所に位置しているものもある。
 
ホルモンと作用
 X器官-サイナス腺系の眼柄ホルモンは、色素胞の収縮、拡散、複眼表層の遠位網膜色素の移動、脱皮抑制、卵巣成熟抑制、血中の糖量の調節、浸透圧の調節等に関与している。