Nuclear Dynamics Newsletter, No.4, Oct. 2007

本特定領域研究に参画する研究室紹介

熊本大学 大学院自然科学研究科 理学専攻 生命科学講座 谷研究室

                       萬年 太郎 (2007年8月執筆)

私と谷研との出会い
 「熊本の夏は暑い!」1年目に谷先生とともに九州大学から一緒に熊本大学に来られた先輩達が悲鳴(苦情)をあげられていました。熊本は活火山の阿蘇山があることから「火の国熊本」と言われていますが、周りを山に囲まれた盆地という地形から夏が異常に蒸し暑いことがもう一つの由縁としてあるのではないかと思います。谷先生が熊大に赴任されて7年目の夏をむかえます(例年に負けず今年も蒸し暑いです)。

 私が谷研究室を知ったのは、理学部の3年生の時に掲示板に貼ってあった研究室のバイト募集でした。まだ谷先生が熊大に赴任されたばかりで、研究室は先生と九大からの学生5人だけだということで実験サポートが主な仕事でした。バイトでは、プレートの作成やプラスミドの調製などの実験の手伝いだけではなく、論文紹介などにも参加させてもらい、先生や先輩達からの親切丁寧な指導のおかげで、同級生より一足早く研究生活を体験することができました。そして当時の何よりの楽しみは、毎日先輩達が買ってきてくれるお菓子と少なくても月2回は開催される飲み会でした(もちろん全ておごりです)。そのようなすばらしい環境(誘惑?)に惹かれて4年次の卒業研究も谷研究室に決めました。気付けば今や研究室も25人の大所帯となっており、自分が学生の中では最も長老になっています。

研究室について
 今年の7月31日に研究室は熊大内で前にいた研究科棟から改装された理学部校舎に移転しました。まだ研究室は新しい建物の臭いがしています。それまでの谷研は理学部とは離れた大学院の棟にあり、その棟の中でも散り散りバラバラに実験室がありました。そのため顕微鏡を観察するのに階段で下りたり上ったりしなくてはなりませんでしたが、今回の移転で全てが解消されました(部屋面積も少し広くなりました)。また他の研究室とも近くなり、共同研究なども盛んに行われるようになるのではないかと思います。今はまだ引っ越してきたばかりで本格的に実験が稼働していませんが、これからは今まで以上にバンバン研究結果が出てくるはずです。今後の谷研にご期待を・・!

 谷研究室は、谷先生、安東先生、但馬先生と博士課程4人修士課程9人と学部生9人というとても若くフレッシュな研究室です。研究室のサロンでは学部生や院生のにぎやかな話し声と笑い声がいつも聞こえています。研究室では毎月研究室のメンバーの誕生会が開催され、おいしいケーキを食べるのですが、その際に先生達や学生を巻き込んだ大じゃんけん大会によりケーキを選ぶ順番を決めるのが恒例となっています。また、月に一回はサロンで飲み会をしており、学生や先生が日常の話から研究の話、はたまた恋愛話までざっくばらんに語り合っています。谷研究室には毎年多くの学生が配属されるのですが、他の研究室に比べて女の子が多いのが特徴です。現在は研究室の男性と女性との比率はほぼ均等ですが、1年前までは男性:女性が1:2と私にとってはうれしいハーレム状態でした。配属される女性が綺麗なことは言うまでもありません。九大から谷先生とともに熊大に来られた先輩達は全員男性で、当時は男臭い研究室だったのが今では嘘のようです。「これも全て私の力・・。」と言いたいのですが、全て谷先生の人柄によるものだと思います。

 谷先生は「紳士」という言葉がもっとも似合う男ではないかと思っています。私は長い間研究室にいますが、先生はいつも温和で怒る姿を見たことがありません(気付いてないだけかもしれませんが・・)。しかし、谷先生は大学生の時に少林寺拳法をたしなみ、九大では部長(顧問)をされていたということから、先輩からは「先生を怒らせると回し蹴りが飛んでくる!」という都市伝説を聞きました。先生の趣味は魚釣り、料理、絵画などありますが、研究室での飲み会の際にMy包丁で買ってきた魚(釣ってきた場合も)をさばかれ刺身にし、皿に盛りつけまでされる姿は圧巻です。この刺身でますますお酒が進みます(飲み過ぎて悪酔いする人もいますが・・)。また最近、先生は水彩画にも興味があり、いつでもスケッチできるように(?)、先生の車の中には風景などいろいろな絵が描かれた画板が入っていました。そこで今年の先生の誕生日(8月)に研究室から水彩絵の具セットと画板を置く三脚をプレゼントしました。これで休日などにスケッチをされる先生を見ることができるのではないかと思います。

 最後に谷先生で忘れてはならないのは結婚の話です。九大にいらしたときは研究室の学生が結婚するという情報を研究室の中で最後に知るというつらい経験が何度かあったそうです。熊大ではそのような事がないように?学生の恋愛の噂話にはチェックの余念がありません。その成果が実り、去年結婚したT君の結婚は研究室で一番早く知ることとなったようです。

 安東先生は研究室の特攻隊長のような存在です。恋愛話が大好きで、研究室に新しい学生が入ってくると必ず「この研究室で誰が好みなの?」と笑顔で聞かれます。また、熊大でセミナーなどをされた先生との懇親会の席では、安東先生を中心に研究室のメンバー全員でセミナーをされた先生の恋愛話や奥さんや夫との出会いのなれそめを聞くのが恒例となっています。その話を聞いて私達は今後の人生の重要な参考とさせてもらっています。今後も熊大にセミナーに来られる先生には“懇親会でのセミナー”にも協力をお願いしたいと思います。

 但馬先生は昨年から谷研で一緒に研究することになり、今回の研究室の移転後に一緒の研究室になりました。なので、先生の性格や人柄は未知数ですが、大阪出身だからなのか、阪神の負けの美学やお好み焼きなど、大阪の独特な文化について面白く話してくれます。また話の中で先生がかなりのドSであることが分かりました。先生とともに実験をしている学生からも同じ証言を得ています。私は陰ながら今後の先生の挙動に期待をしています。

研究について
 私達の研究室は酵母、培養細胞やカエルを用いて、DNAから転写されたRNAの情報発現制御機構について精力的に研究をしています。具体的には分裂酵母mRNA核外輸送変異株ptrpolyA+ RNA transport)やスプライシング異常変異株prppre-mRNA processing)の分離と解析、培養細胞を用いたpolyA+ RNAと核スペックルの解析、また、安東先生を中心に出芽酵母や分裂酵母を用いた局在化RNAの解析、但馬先生を中心にカエルを用いた胚発生に関与するRNAの解析などをおこなっています。いろいろな生物種を用いて研究を行っていますが、毎週月曜日にある「プログレス」で全員の前で研究進行状況を報告することにより、研究上でも垣根のないチームワークのある研究室となっているのではないかと思います。逆にいろいろな生物種を用いているおかげで、実験をしている当人では気づかない斬新なアイディアやアドバイスをもらえることがあります。

最後に
 この研究室紹介を先生から「書いてくれませんか?」と頼まれたときは、安請け合いをしてしまいましたが、私は文章を書く才能がないのをすっかり忘れていました。こんなに長い間苦労するとは思いませんでした。この内容で谷研究室の様子が伝わるかが心配です。

 この文章を書くにあたり、今までのことを思いおこすと、私が学部の頃から現在まで道を踏み外すことなく歩んでこれたのも、先生方や先輩・後輩に恵まれたからと思いました。このようなすばらしい環境の中で研究できることに甘んじることなく、今後も日々研究に精進していきたいと思います。


8月の誕生会の後に撮影した谷研究室の集合写真。


谷研

 

 

 

 

 

椅子に座られている左から安東先生、谷先生、但馬先生。左側で正座しているのが筆者。
(執筆:萬年太郎)