Microinjectionを用いたmRNA核外輸送メカニズムの解析:




<研究テーマ>
HeLa細胞核へ、蛍光標識mRNAをMicroinjectionし、その挙動を検出し、mRNAの核から細胞質への核外輸送を調べる。



<アッセイ系>



<現状>
(1)蛍光標識したmRNAをHeLa細胞の核にMicroinjectionし、最初、核にあった蛍光が、時間経過とともに減少し、逆に細胞質での蛍光が徐々に増加することを観察した。これは、インジェクションされたmRNAが核から細胞質へと輸送したことを示唆している。
(2)核から細胞質へのmRNAの輸送が、単なる拡散によるものではないことを検証するため、以下のコントロール実験をした。1. 4℃で培養、2. WGAとのco-injection、3.Azideによる処理。以上の場合、mRNAの核外輸送は阻害された。ゆえに、このアッセイ系におけるmRNAの核外輸送は核膜孔を介した能動輸送であることを示唆し  ている。以下、新たに立ち上げた、このアッセイ系を用い、mRNAにおける核外輸送メカニズムの解明を行った。
(3)Cap構造、及びPolyA tailはmRNAの核外輸送を促進する働きを持つことがわかった。
(4)さまざまな薬剤を用いることにより、以下の事が示唆された。
1.LMB(タンパク質の核外輸送を阻害する薬剤)によるmRNAの輸送阻害はなかった。HeLa細胞では、mRNAの核外輸送とタンパク質の核外輸送は別の経路で行われている可能性がある。
2.Cycloheximide (翻訳阻害剤)によるmRNAの輸送阻害はなかった。
3.Actinomycin D (転写阻害剤)で、mRNAの輸送阻害が見られ、転写機構とmRNA核外輸送機構との間に、なんらかの関連性があることが示唆される。
また、injectionされた、いくつかの細胞では、核内に~5個の強い蛍光の輝点が見られ、mRNAが強く凝縮している領域があることがわかった。
(5)Actinomycin D処理により現れた、核内のmRNAの輝点の領域を調べるため、 SC35(splicing因子等が含まれる領域)との2重染色を行ったところ、興味深いことに、すべての輝点が、SC35のすぐ隣に位置することが判明した。

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