平成5年度
熊本大学理学部
地球科学教室年報

No. 4  1994

前年度地球科学科ホームページ次年度


はじめに

 地球科学教室年報第4号平成5年度版(平成5年4月〜平成6年3月)をお届けします。今回も2章構成とし、第1章に教室構成員(教官、事務職員、学生)の内訳を、第2章に教官、大学院学生、特別研究員の活動状況をまとめました。平成5年度から学科名は「地学科」から「地球科学科」と改称され、従って本年報も「地球科学教室年報」と改名して号番号はそのまま続けることにしました.教室は5講座体制となり、講座名も変更、カリキュラムも大幅に変更になり、学生定員は35名となりました。新旧カリキュラムが同時進行しており、複雑な対応におわれています。長年教室に御勤めになりました津末昭生教授が平成6年3月をもって定年退官されました。また、中田正夫氏が九州大学理学部に転出され、事務職員の田村弘美さんが教育学部に異動、替りに塚田満生さんが転入されました。新たな気持ちで教室の教育・研究内容の充実をはかり、教室のアクティビティーが更に向上して行くことを願っています。   

地球科学科学科長 尾田太良


======= 目次 =======

第1章 教室構成

  1. 教官・職員
  2. 在学生数
  3. 卒業生進路

第2章 活動状況

  1. 教官
  2. 大学院生・特別研究員


第1章 教室構成

I. 地球科学科教官・職員(平成6年2月現在)

講座

氏名

専門分野

地球物質学

教授

小畑正明

岩石学

助教授

清水洋

地球化学

生物圏進化学

教授

岩崎泰頴

古生物学

助教授

地球化学

教授

津末昭生

鉱床学

助教授

尾崎正陽

鉱物学

助手

横瀬久芳

地球化学・岩石学

地球変動学

教授

村田正文

層位学

助教授

中田正夫

地球物理学

講師

豊原富士夫

構造地質学

地球環境
システム学

教授

尾田太良

微化石・海洋地質

*平成6年3月末日定年退官,#同日転出

事務官  :田村弘美(平成6年4月より塚田満世に交代)
事務補佐員:西 春美

II. 在学生数(平成6年2月現在)

学部生:

1年

2年

3年

4年

43名

27名

28名

27名

125名
理学研究科(修士課程):

修士1年

修士2年

8名

7名(内2名休学)

15名
自然科学研究科(博士課程):

博士1年

博士2年

博士3年

1名

3名

6名

10名

III. 卒業および修了後の進路

学部卒業生(20名)
進学(本学大学院 13,他大学1名)、研究生(本学2名)、企業(地質3,環境1、その他1;合計 5名)、公務員(1名),未定(2名)
修士課程修了者(7名)
企業(地質2,環境1,情報1,合計4)
博士課程修了者(1名)
大学(韓国)


第2章 活動状況

記載項目
  1. 研究テーマ
  2. 学会誌発表
    1. 原著論文
    2. 総説、著書
  3. 学会講演発表〔複数著者の場合は講演者にアンダーライン)
  4. 受賞
  5. 研究助成
  6. 所属学会
  7. 学外委嘱委員
  8. 海外からの訪問者,研究員
  9. 海外出張
  10. その他のニュース

I. 教官編

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岩崎泰頴

1.研究テーマ
  1. 浅海棲貝化石群集の種構成の時代による変遷:堆積盆(当時の環境)を復元し,そこに棲息した貝化石群集を明らかにする.現在までに下部白亜系の貝類群(領石動物群とも呼ばれる)と,中部白亜系の御所浦・御船型の貝類動物群についてはほぼ終っているが,最近我が国でも実用化され堆積場を再現するのに有効とされている堆積相解析により詰めを行っている.古第三系に関しても着手している.
  2. 内湾に棲息する介形虫の研究:有明海・八代海の最奥の汀線付近に棲息する介形虫は中国沿岸ならびに琉球・奄美諸島のヒルギ帯に棲息する介形虫と共通する種ないし属構成が判明しつつある.この様な介形虫種群について棲息環境を特定して棲み分け状況を明らかにし,化石における環境指標種としての有効性を明らかにする.
3.学会講演発表
  • 岩崎泰頴:有明海に棲息する介形虫の属の2種について.日本古生物学会第142回例会(大阪教育大、大阪)1993年6月
6.所属学会
日本古生物学会,日本地質学会,ベントス研究会,The Paleontological Society

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尾崎正陽

1.研究テーマ
  1. ホウ素, フッ素, 塩素を含有するアルミノ珪酸塩鉱物の鉱物化学: 岩石あるいは珪酸塩鉱物とホウ素、フッ素、塩素などの揮発性成分を含む鉱化流体との反応(グライゼン化作用)によって生成されるアルミノ珪酸塩鉱物の産状と各個鉱物の鉱物学的諸性質の検討,ならびに合成実験によるこれら各鉱物の生成条件、生成環境と鉱物学的諸性質との関係についての検討と考察.
  2. ホウ素,フッ素,塩素を含有するアルミノ珪酸塩鉱物の鉱物化学:岩石あるいは珪酸塩鉱物とホウ素,フッ素,塩素などの揮発性成分を含む鉱化流体との反応(グライゼン化作用)によって生成されたこれらの3成分を主成分として含有するアルミノ珪酸塩鉱物(axinite, tourmaline, topaz, scapolite, その他)の産状と各個鉱物の鉱物学的諸性質の検討,ならびに合成実験によるこれらの各鉱物の生成条件,生成環境と鉱物学的諸性質との関係についての検討と考察を行う.
  3. 熱水の作用による層状珪酸塩鉱物および硫酸塩鉱物に関する鉱物学的検討:熱水の変質作用により生成される鉱物は,母材である岩石・鉱物の諸性質とこれに作用する熱水の諸性質(温度,圧力,pH, Eh, 溶存化学種など)によって特徴づけられ,また,生成される変質鉱物の種類と性質は反応の進行に伴って累進的に変化している.天然における熱水変質作用によって生成された鉱物,特に層状珪酸塩鉱物および硫酸塩鉱物の産状とそれらの鉱物学的性質の検討と考察.更に性質を異にする各種の熱水溶液と岩石あるいは鉱物との反応実験による累進変質についての検討と考察を行う.
2.学会誌発表
a.原著論文
  • Ghayoumian, J., Nakajima, S. and Ozaki, M. (1993) Weathering characteristic of slate and green rocks. Proc. Geotech. Engin. Hard Soils - Soft Rocks. 105 - 112.

b.総説、著書

  • 尾崎正陽・長谷義隆・豊原富士夫 (1994) 表層地質図「耶馬渓」および同説明書。土地分類図。大分県
3.学会講演発表
  • Ghayoumian, J., Nakajima, S. and Ozaki, M.: Weathering characteristic of slate and green rocks. Internat. Symp. ISSMFE, IAEG, and ISRM., (GREECE), 1993年9月
  • 尾崎正陽・佐藤百合:熊本県木葉山産ドロマイトスカルン,日本鉱物学会,日本岩石鉱物鉱床学会,日本資源地質学会秋期連合講演会(山形)1993年10月
6.所属学会
日本鉱物学会,日本岩石鉱物鉱床学会,日本粘土学会,日本資源地質学会,日本地球化学会,日本窯業協会
7.学外委嘱委員
  • 九州中部地域広域地質構造調査検討員(金属事業団)
  • 国土基本調査調査検討委員(大分県・国土庁)

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尾田太良

1.研究テーマ
  1. 新生代の微化石層位学的研究ならびに古海洋の復元に関する研究.
  2. 西太平洋におけるプランクトンネツトによる 浮遊性有孔虫の生態およびセジメントトラツプに基づく浮遊性有孔虫 群集の季節的変化及び物質循環に関する研究.
3.学会講演発表
  • 三田勲・内田英一・若杉太市・岩内明子・尾田太良,大多喜N-1試掘井における黒滝不整合について, 石油技術協会(石油開発公団,千葉) 1993年6月
  • 内田英一・三田勲・尾田太良, 大多喜N-1試掘井における浮遊性有孔虫化石層序,石油技術協会(石油開発公団,千葉) 1993年6月
  • 高岡秀朋・尾田太良、浮遊性有孔虫化石からみたKH92ー1、5aPCの過去15年間の海洋古環境の変遷、シンポジユウム我が国における古海洋学の発展、東大海洋研究所(東京)1994年1月
  • 西弘嗣・向山健次郎・尾田太良、インド洋の低緯度地域の鮮新世〜中期始新世浮遊性有孔虫の群集変化、日本古生物学会(国立科学博物館,東京)1994年1月
  • 鳥井真之・石川裕誠・吉村康隆・尾田太良、宮崎層群の凝灰岩について、 日本地 質学会西日本支部総会(山口)1994年2月
5.研究助成
  • 文部省科研費一般研究(B)(分担者):九州地方のネオテクトニクス(村田正文)
  • 文部省科研費総合研究(A)(分担者):セジメント・トラップに基づく北太平洋における物質循環に関する研究(代表者 北海道大学 大場忠道)
6.学外委嘱委員
  海洋科学技術センター客員研究員

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小畑正明

1.研究テーマ
  1. 上部マントルでのマグマの発生と移動:上部マントルを構成している超塩基性岩の構成と化学組成を調べることによりマントル物質の部分溶融によりマグマが発生し,上昇する過程を解明する.現在,北海道日高変成帯に産する幌満カンラン岩体をフィールドにしている.
  2. 下部地殻の溶融と酸性マグマの起源:高温型変成帯高温部には,部分溶融によって生じた不均質な岩石ミグマタイトが産する.これらの変成岩〜火成岩の構造と組成 を調べることにより大陸地殻下部の部分溶融の過程を 解明する.フィールドは熊本県肥後変成帯.
  3. 超塩基性シュードタキライトの形成過程:地震断層に伴う岩石の摩擦熱融解現象の解明.イタリアアルプス のかんらん岩体 (Balmuccia Peridotite) がフィールド.
2.学会誌発表
a.原著論文
  • Davies, G. R., Nixson, P. H., Pearson, G. and Obata, M.(1993) Tectonic implications of graphitized diamonds from the Ronda peridotite massif, southern Spain. Geology, 21, 471-474.
  • Obata, M., Yoshimura, Y., Nagakawa, K., Odawara, S. and Osanai, Y. (1994) Crustal anatexis and melt migrations observed in the Higo metamorphic terrane, west-central Kyushu, Kumamoto, Japan. Lithos, 32, 135-147.
  • Obata. M. (1994) Material transfer and local equilibria in a zoned kelyphite from a garnet pyroxenite, Ronda, spain. J. Petrology, 35, 271-287.
  • Obata, M.and Karato, S.and Bussod, G. Y. (1993) A possible example of lithospheric frictional melting associated with co-seismic slip. EOS, 74, 677.
  • Davies, G. R., Nixon, P. H., Pearson, G. and Obata, M. Graphitized diamonds from the Ronda peridotite massif, S. Spain. Proc. Kimberlite Conf. (Brazil) (in press)
3. 学会講演発表
  • Obata, M.and Karato, S.and Bussod, G. Y.: A possible example of lithospheric frictional melting associated with co-seismic slip. AGU Fall meeting, San Fransico, 1993年12月
5.研究助成
  • 文部省科研費総合研究(A)(分担者):高温変成岩とミグマタイトの研究(代表者 弘前大学 大貫仁)
6.所属学会
日本地質学会,日本火山学会,日本岩石鉱物鉱床学会,形の科学会,Mineralogical Society of America, American Geophysical Union
9.海外出張
ドイツバイロイト大学客員教授 平成5年4月〜平成6年1月

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清水 洋

1.研究テーマ
  1. 固体地球の化学的進化:微量元素及び同位体比の研究により、固体地球の化学的進化を解明する。現在は、東アジアの大陸地殻の化学的発達に重点をおいて研究を進めている。
  2. 海洋における希土類元素の挙動並びにケイ質堆積物の生成環境に関する研究:海洋環境における希土類元素等の微量元素の供給源並びにその挙動を解明する。そして、チャート等のケイ質堆積物の生成環境を明らかにする。
2.学会誌発表
a.原著論文
  • Suzuki, K., Qi-Lu, Shimizu, H. and Masuda, A. (1993) Reliable rhenium-osmium age for molybdenite. Geochim. Cosmochim. Acta , 57, 1625-1628.
  • Shimizu, H., Tachikawa, K., Masuda, A. and Nozaki, Y. (1994) Ce and Nd isotope ratios and REE patterns in seawater from the North Pacific. Geochim. Cosmochim. Acta , 58, 323-333.
3. 学会講演発表
  • Lee, S.-G., Shimizu, H. and Masuda, A.: Crustal evolution of the Precambrian basement of East Asia. Symposium of Young Mineralogist, Petrologist and Geochemist (Guiyang, China) 1993年8月 Saito, T., Shimizu, H. and Masuda, A.: Experimental determination of REE and Sr partitioning between olivine and silicate melt using chondrite as starting material. Symposium of Young Mineralogist, Petrologist and Geochemist (Guiyang, China) 1993年8月
  • 清水洋・李承求・増田彰正・足立守:上麻生礫岩中の先カンブリア紀片麻岩礫のCe-Nd同位体比及び希土類元素パターン.1993年度日本地球化学会年会(東大阪)1993年10月
  • 鈴木勝彦・清水洋・増田彰正:モリブデナイトのRe-Os年代と母岩の年代からみた鉱床形成史.三鉱学会平成5年度合同講演会(山形)1993年10月
  • 南雅代・清水洋・足立守・増田彰正:西オーストラリアPilbara地域の始生代チャートの地球化学的研究.地球惑星科学関連学会1994年合同大会(仙台)1994年3月
  • 清水洋・李承求・増田彰正・足立守:日本列島の先カンブリア紀基盤岩の形成過程:上麻生礫岩中の先カンブリア紀片麻岩礫のCe・Nd同位体比及び希土類元素パターン.地球惑星科学関連学会1994年合同大会(仙台)1994年3月
5.研究助成
  • 文部省科研費一般研究(B)(代表者):同位体地学的研究によるマントルー地殻系の化学システムにおける物質移動の解明
  • 文部省科研費重点領域研究(代表者):同位体トレーサーによる固体地球の初期進化の解明
6.所属学会
日本地球化学会, 日本地質学会, 日本鉱物学会, 日本質量分析学会, 日本化学会, Geochemical Society, Meteoritical Society, Mineralogical Society of America, American Geophysical Union
7.学外委嘱委員
 理化学研究所嘱託

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津末昭生

1.研究テーマ
日本と近傍の大陸縁辺部の花崗岩類に関する研究:日本列島には白亜紀ないし古第三紀の花崗岩類が広く分布しているが、西南日本外帯には新第三紀の花崗岩類が紀伊半島、四国、九州等に分布し、北東アジアの大陸部には見られない特異な花崗岩岩石区を形成している。これらの花崗岩類は瀬戸内海地域の安山岩類と共に中新世に活動したもので、日本海の形成と拡大に関連しているものと考えられている。また、北東アジアの大陸部には、沿海側から内陸側に向かって、ほぼ白亜紀、ジュラ紀、三畳紀、古生代等の花崗岩類が配列している。日本列島にはジュラ紀の花崗岩類が飛騨地域、能登半島南部と島根県隠岐島後に知られているに過ぎない。しかし、これらの花崗岩類は、かっての日本列島とアジア大陸との位置的関係を知る上で重要な鍵である。今年度は角閃石地質圧力計と角閃石ー斜長石温度計を用いて、韓国のジュラ紀と白亜紀花崗岩類、西南日本内帯の山陰、山陽、と領家帯の花崗岩類、飛騨帯の花崗岩類についてそれらの生成圧力と温度を検討した。
2.学会誌発表
a.原著論文
  • 代 開秋・津末昭生・本間弘次(1993):高知県南西部柏島ー沖ノ島地域の花崗岩類の岩石学的研究.岩鉱,88, 247ー264.
  • Lee, I. H., Tsusue, A. and Hori, T. (1994a) Amphibole chemistry of Jurassic and Cretaceous granitic rocks in South Korea: 1. Pressure and temperature of intrusions. Resource Geol., 44, (in press).
  • Lee, I. H., Tsusue, A. and Hori, T. (1994b) Amphibole chemistry of Jurassic and Cretaceous granitic rocks in South Korea: 2. Coupled substitution of amphiboles. Resource Geol.,44, (in press).
3. 学会講演発表
  • 津末昭生・李 仁鉉・堀 恒喜:韓国ジュラ紀及び白亜紀花崗岩類中の角閃石について.資源地質学会(東京)1993年6月
6.所属学会
資源地質学会,日本岩石鉱物鉱床学会,日本鉱物学会,日本地質学会,日本地球化学会,Society of Economic Geologists
7.海外からの訪問者, 研究員
Dr. Keiko Hattori, Canada, University of Ottawa, Geochemistry and Economic Geology, 1993年12月21日ー22日

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豊原富士夫

1.研究テーマ
サブダクション帯及びその前面における構造運動:日本列島の構造帯及びその内部の地質構造は、サブダクション帯そのもので形作られたという意見が多くみられる。しかしながら、筆者は、日本列島の形成において最も重要な役割を果たした要因は、プレートのサブダクションに伴ってその前面に生じた熱であると考えており、主要な地質構造の形成もサブダクション帯そのものの内部ではなく、その前面の高温区内であると考えている。この主張を裏付けるために、下記のようなサブテーマを設定して研究を行っている。
  1. 日本列島の形成過程を層序学的、構造地質学的手法を用いて明かにする。
  2. 過去の造山帯に見られる小地質構造(e.g.小褶曲、マイロナイト、スレート劈開等の組織)を、偏向顕微鏡、微分干渉顕微鏡、電子顕微鏡等によって観察・記載し、また、鉱物学、金属学等の他分野における従来の研究と合わせることによって、その形成時の物理条件、特に温度との関連を明かにしていく。
  3. 三軸圧縮変形実験によって、温度、封圧、応力等を変えて変形させた試料の変形組織を、地質時代に変形した岩石の組織と比較することによって、構造運動における物理条件を定性的に考察する。
2.学会誌発表
b.総説、著書
  • 尾崎正陽・長谷義隆・豊原富士夫 (1994) 表層地質図「耶馬渓」および同説明書。土地分類図。大分県
3.学会講演
  • 豊原富士夫・尾崎正陽・中島成子(1994):領家弱変成部水越層のスレートにおける再結晶度と定向配列,日本地質学会第100年大会 (東京)4月

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中田正夫

1.研究テーマ
  1. 固体地球の変形の定量的解析及び地球のレオロジーの研究:地球の表面で起こっている種々の地学現象(火山活動・造山運動 etc)を定量的に理解するには 、各々現象に関係した、リソスフェア、アセノスフェア、マントルのレオロジカルな性質を評価することが大切である。特にリソスフェアやアセノスフェアの流動特性を地質現象から評価することは、造山運動のメカニズムの定量的解析に大切である。現在は、リソス フェア、アセノスフェア内に水平方向の密度不均質があった時に地 殻表面、内部に生ずる変形を定量化する研究をしている。この結果を用いてriftingや高 温変成帯をも考慮した島弧のテクトニクスを研究している。
  2. 西九州の第4紀の海水準変動の解析: 熊本平野から五島列島にかけてはテクトニックに相対的に安定である。つまり完新世の海 面変動を2次元的にマッピングすることにより、氷河性海水準変動の効果のみを評価することが可能である。又この地域の過去1万年間の古環境及び古潮位を研究することも可能である。
2.学会誌発表
a.原著論文
  • Nakada, M. (1994) Convective coupling between ductile lower crust and upper mantle and its tectonic implications, Geophysical Journal International (in press).

b.総説、著書

  • 中田正夫 (1993) 氷期・間氷期の海水準変動と固体地球のレスポンス、熊本大学総合情報処理センター広報、4、40-44.
  • 中田正夫 (1993) 最終間氷期の海水準変動、月刊地球、169、400-406. 
  • 前田保夫、松田功、中田正夫、松島義章、松本英二, 佐藤裕司 (1994) 完新世における北海道オホーツク海沿岸の海面変化 (海面高度の観察値と理論値について)、山形大学紀要 (自然科学)、13、205-229.
3.学会講演発表
  •  
  • 中田正夫・前田保夫:ハイドロアイソスタシーと西九州の水中遺跡、第四紀学会 (福岡) 1993年8月
  • 横山祐典・奥野淳一・中田正夫・実政勲・前田保夫・長岡信治・松本英二・松島義章・松田功・佐藤裕司:長崎県有明海沿岸諌早市周辺の完新世海水準変動の評価、第四紀学会 (福岡) 1993年8月
  • 奥野淳一・横山祐典・中田正夫・実政勲・前田保夫・長岡信治・松本英二・松島義章・松田功・佐藤裕司:長崎県大村湾の完新世における海面変化の評価、第四紀学会 (福岡) 1993年8月
4.研究助成
  • 文部省科研費一般研究 (C) (代表者):上部マントルとカップリングした地殻流動とリフティングの研究
  • 文部省科研費一般研究 (B) (分担者): 九州のネオテクトニクスの研究 (代表者 村田正文)
  • 文部省科研費重点領域研究 (分担者):文明と環境 (代表者 国際文化センター 伊藤俊太郎)
  • 文部省科研費重点領域研究 (分担者) : 遺跡探査 (代表者 山形大学 前田保夫)
5.所属学会
日本地震学会、日本第四紀学会

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村田正文

1.研究テーマ
日本列島の中古生界の地質構造と放散虫生層序の確立.
4.研究助成
  • 文部省科研費一般研究 (B) (代表者): 九州のネオテクトニクスの研究
6.所属学会
日本地質学会,日本古生物学会
7.学外委嘱委員
県地下水審議会委員, 市上水道水源研究会委員

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横瀬久芳

1.研究テーマ
  1. 島弧の火成作用に関する研究:マグマの発生や移動に伴う諸現象を,物質循環という観点から解析を行い,地殻の発達過程や地殻内部の状態を考察する.
  2. 微量元素の精密分析:岩石中の微量元素は,岩石が形成されたプロセスを知る上において有益な情報源となる.これら岩石中に凍結された情報を,最大限に活用するためには微量元素の精密分析が必要不可欠である.様々な解析における分解能を確保する目的で,新たな前処理(分解,分離,濃縮)法を開発する.
3.学会講演発表
  • 山本茂・横瀬久芳:混酸による岩石試料溶液化に伴う問題点とその解決法ー残渣による軽希土類元素の分別.日本地球化学会年会(近畿大)1993年10月
  • 横瀬久芳:第四紀火山岩におけるREEパターンの空間分布.日本火山学会秋季大会(富山)1993年10月
  • 山本茂・横瀬久芳:九州金峰火山に産出する捕獲岩の起源.日本火山学会秋季大会(富山)1993年10月
  • 赤塚貴史・横瀬久芳:室戸岬斑レイ岩体における希土類元素の化学組成変化.日本火山学会秋季大会(富山)1993年10月
  • 渡辺あゆみ・小畑正明・横瀬久芳:唐津高島に産する地殻起源包有物における部分溶融の観察ー地殻起源包有物中に記録された熱履歴とdehydration meltingー.日本岩石鉱物鉱床学会(京都)1994年1月
  • 山本茂・横瀬久芳:九州金峰火山に産出する捕獲岩と火山岩の関係.地球惑星科学関連学会(仙台)1994年3月
6.所属学会
日本火山学会,日本岩石鉱物鉱床学会,日本地質学会,日本地球化学会

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大学院生(修士・博士課程)及び研究生編

2.学会誌発表
a.原著論文
  • 代 開秋・津末昭生・本間弘次(1993)高知県南西部柏島ー沖ノ島地域の花崗岩類の岩石学的研究.岩鉱,88, 247ー264.
  • Lee, I. H., Tsusue, A. and Hori, T. (1994a) Amphibole chemistry of Jurassic and Cretaceous granitic rocks in South Korea: 1. Pressure and temperature of intrusions. Resource Geol., 44, (in press).
  • Lee, I. H., Tsusue, A. and Hori, T. (1994b) Amphibole chemistry of Jurassic and Cretaceous granitic rocks in South Korea: 2. Coupled substitution of amphiboles. Resource Geol.,44, (in press).
  • Obata, M., Yoshimura, Y., Nagakawa, K., Odawara, S., and Osanai, Y.(1994) Crustal anatexis and melt migrations in the Higo metamorphic terrane, west-central Kyushu, Kumamoto, Japan. Lithos, 32 , 135-147. 
  • 長谷義隆、岩内明子 (1993) 内陸堆積層の分布高度から求めた中部九州地溝内沈降域の変位.地質学論集、41、53ー72.
  • 岩内明子、長谷義隆 (1994) 表層堆積物(池、河川、海、土壌)の花粉分析(II). 熊本大学教養部紀要自然科学編、29、75ー95.
  • Hase, Y. and Iwauchi, A. (1994) Method of Estimating Mean Annual Temperatures from Plant Fossils in the Pliocene and Pleistocene Periods. Proc. 29th Int. Geol.Congr., Part B, pp. 219-223, VSP.
3.学会講演発表
  • 奥野淳一、横山祐典、中田正夫、実政勲、前田保夫、長岡信治、松本英二、松島義,松田功、佐藤祐司:長崎県大村湾岸の完新世における海面変化の評価.日本第四紀学会大会(福岡)1993年8月
  • 横山祐典、奥野淳一、中田正夫、実政勲、前田保夫、長岡信治、松本英二、松島義章、松田功、佐藤祐司:長崎県有明海沿岸諌早市周辺の完新世海水準変動の評価.日本第四紀学会大会(福岡)1993年8月
  • 赤塚貴史、横瀬久芳:室戸岬斑れい岩体における希土類元素の化学組成変化.日本火山学会、1993年度秋季大会(富山)1993年10月
  • 高岡秀朋、尾田太良:浮遊性有孔虫化石からみたKH92ー1.5aPCの過去20万年間の海洋古環境の変遷.IGBPシンポジウム、わが国における古海洋学の発展(東大海洋研)1994年1月
  • 山本茂、横瀬久芳:混酸による岩石試料溶液化に伴う問題点とその解決法ー残査による軽希土類元素の分別ー.1993年度日本地球化学会年会(大阪)1993年10月
  • 山本茂、横瀬久芳:九州金峰火山に産する捕獲岩の起源.日本火山学会1993年度秋季大会(富山)1993年10月
  • 山本茂、横瀬久芳:九州金峰火山に産出する捕獲岩と火山岩の関係.1994年地球惑星科学関連学会合同大会(仙台)1994年3月 
  • 渡辺あゆみ、小畑正明、横瀬久芳:唐津高島に産する地殻起源包有物における部分溶融の観察ー地殻起源包有物中に記録された熱履歴とdehydration meltingー日本岩石鉱物鉱床学会平成5年度学術講演会(京都)1994年1月
  • 鳥井真之、石川祐誠、吉村康隆、尾田太良:宮崎層群の凝灰岩について.日本地質学会西日本支部第98年学術大会(山口)1994年2月
  • 吉村康隆、小畑正明:九州中部、肥後変成帯中に産するザクロ石の累帯構造.日本地質学会第100年大会(東京)1993年4月
  • 森下律生、吉村康隆:鉱物の空間分布からみた岩石形成過程ー肥後変成帯中のミグマタイトと優白質花崗岩について.日本岩石鉱物鉱床学会平成5年度学術講演会(京都)1994年1月
  • 武田昌尚:流動と化学反応の関係について.日本地質学会第100年大会(東京)1994年4月
  • 岩内明子、長谷義隆、水野篤行:島根県津野津層(鮮新統ー更新統)の花粉分析.日本地質学会第100年学術大会(東京)1993年4月
  • 津末昭生・李 仁鉉・堀 恒喜:韓国ジュラ紀及び白亜紀花崗岩類中の角閃石について.資源地質学会(東京)1993年6月.
  • 長谷義隆、岩内明子、夜明団研グループ:中・北部九州後期新生代の化石植物群ーその6 福岡県星野村下部鮮新統産ー.日本地質学会第100年学術大会(東京)1993年4月
  • 畑中健一、野井英明、岩内明子:九州地方の植生変遷史.日本花粉学会第34回大会(山形)シンポジウム「日本列島植生史」1993年10月
5.研究助成
  • 文部省科研費特別研究員奨励,森下律生:岩石学における相転移現象の記述とそのモデルの数理学的検証.

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