熊本大学理学部では高校生向けの夏休み特別企画として,本物の物理学の世界を垣間見ることのできる講義を4つ用意しました。興味ある人は是非参加して高校では味わい得ない物理学の面白さを満喫し,大学志望を決める上での参考にして下さい。希望者は施設見学もできます。

日時  : 2006年7月29日土曜日午後1時〜4時
場所  : 熊本大学理学部
対象者 : 物理学に興味のある高校生(35名程度)
受講料 : 無料
主催  : 熊本大学理学部,熊本大学衝撃・極限環境研究センター
集合場所: 理学部玄関前

応募方法
希望者は,以下の4つの講義のうち1つを受講できます。(D1とD2は2つ併せて1つの講義です。)
次の(1), (2),いずれかの方法で申し込んで下さい。
(1)メールによる申し込み:以下のメールアドレスに
1.住所と名前,2. 高校名と学年,3, 希望する講義2つ(例:第1希望A,第2希望D)を明記して申し込んで下さい。
   aniya@gpo.kumamoto-u.ac.jp
(2)はがきによる申し込み;往復葉書を用いて,以下の住所に
1.住所と名前,2. 高校名と学年,3, 希望する講義2つ(例:第1希望A,第2希望D)を明記し,復信に自分の住所と氏名を書いて申し込んで下さい。
  〒860-8555 熊本市黒髪2-39-1 
    熊本大学理学部 安仁屋 勝

(1),(2),いずれの場合も,締切は7月10日(月)。(各講義への割振りも含めて,応募者が多数の場合,先着順に締切ります。7月14日頃までに参加決定の連絡をします。)




講義題目と概要

講義 A:光速度の測定
1:15 pm - 4:00 pm
講師:光永 正治 教授
光速度c は,1秒間に地球を7周半進む(30万km/秒)という,とてつもなく速いものですが,実験室内でそれを観測することはできるでしょうか? この講義では,レーザーと音響光学変調器を用いた簡単な実験系で,光速度を測定するデモンストレーションを行います。皆さんにも測定に参加してもらい,ミラー,波長板,ビームスプリッター等の光学部品の使い方を学びながら,実際のc の値,3.00×108 m/s に近い値を出してみましょう。
(受講者数:7名程度)

講義 B:超伝導の実験
1:15 pm - 4:00 pm
講師:市川 聡夫 教授
超伝導現象とはある温度より低温にすることで物質中の電子がある特殊な状態に変化する物理現象です。今回は,超伝導を代表とする低温における驚くべき物質の性質を,液体窒素を用いた実験を通して体験してもらいます。
(受講者数: 5名程度)

講義 C:液体ヘリウムの超流動を観測して アボガドロ数を求めてみよう
1:15 pm - 4:00 pm
講師:藤井 宗明 助教授
液体ヘリウムを -271℃ まで冷やすと粘性がなくなり超流動を示します。このとき,液体ヘリウムは容器の壁を乗り越え,熱伝導率は無限大になります。不思議なことに,超流動転移温度を測定することによりアボガドロ数を求めることができます。 1グラムの分子の数は1023位なので数え上げるのは不可能ですが,分子の熱運動が影響する現象からボルツマン定数を求め,それから分子数を求めます。
(受講者数: 5名程度)

講義 D1:アインシュタインと現代物理学
1:15 pm - 2:00 pm
講師:安仁屋 勝 教授
歴史上の科学者の中で,アインシュタインほどよく知られ,一般の人々の興味を引き付けた人物はいません。この講義では,アインシュタインの生涯を辿ると共に,現代物理学の構築にアインシュタインがどのように関わったのかを説明します。
(受講者数: 20名程度)

講義 D2:カーナビにおける相対性理論
2:15 pm - 3:45 pm
講師:荒井 賢三 教授
カーナビは GPS (Global Positioning System) 衛星と交信することによって自分の車の位置を正確に決定する装置です。GPS衛星は高度2万km の所を秒速4km で円運動しているために,地表の時計と比べて進み方に差が生じてしまいます。この講義では,相対性理論をわかりやすく説明し,時計の進みに対する補正を考えます。
(受講者数: 20名程度)

※ D1 と D2 は2つ併せて1つの講義です。


集合場所