談話会の記録

2018年度

日時:2018年5月23日(水)16:30~17:30 場所:自然科学研究科研究棟301室(数理演習室) 講演者: Lars Hesselholt 氏 (名古屋/Copenhagen) 題名:Higher algebra and arithmetic 概要:This talk concerns a twenty-thousand-year old mistake: The natural numbers record only the result of counting and not the process of counting. As algebra is rooted in the natural numbers, the higher algebra of Joyal and Lurie is rooted in a more basic notion of number which also records the process of counting. Long advocated by Waldhausen, the arithmetic of these more basic numbers should eliminate denominators. Notable manifestations of this vision include the Bökstedt-Hsiang-Madsen topological cyclic homology, which receives a denominator-free Chern character, and the related Bhatt-Morrow-Scholze integral p-adic Hodge theory, which makes it possible to exploit torsion cohomology classes in arithmetic geometry. Moreover, for schemes smooth and proper over a finite field, the analogue of de Rham cohomology in this setting naturally gives rise to a cohomological interpretation of the Hasse-Weil zeta function by regularized determinants, as envisioned by Deninger.

日時:2018年10月17日(水)16:30~17:30 場所:自然科学研究科研究棟301室(数理演習室) 講演者: 安田健彦氏(東北大学) 題名:特異点と有理点 概要:数体や局所体上定義された代数多様体は、悪い特異点を持つほど、多くの有理点や整数点を持つ傾向がある。この現象の、野性マッカイ対応やヴォエタ予想を通した定量化について概観する。

日時:2018年10月31日(水)16:30~17:30 場所:自然科学研究科研究棟3階 数理演習室DC301室 講演者: 北川義久氏 (宇都宮大学) 題名:3次元球面内の平坦トーラスに関する直径予想 概要:3次元単位球面S3 内の2次元トーラスは,S3 の標準的なリーマン計量から誘導されるリーマン計量の曲率が0 であるとき,S3 内の平坦トーラスと呼ばれる.1970 年代に,S3 内の平坦トーラスに関する分類問題が提起され,1980年代に,S3 内の平坦トーラスをすべて構成する方法が開発された.本講演では,この構成法による最近の研究成果とS3 内の平坦トーラスに関する未解決問題の一つである直径予想について解説する. 参考文献: 3次元球面内の平坦トーラス,数学, 57巻2号(2005), 164–177.

日時:2018年11月28日(水)16:30~17:30 場所:自然科学研究科研究棟3階 数理演習室DC301室 講演者: 小田文仁氏 (近畿大学) 題名:バーンサイド環の進展 概要:Burnside が定義した table of marks を発展させることにより,1960年代にSolomon は 有限群 の Burnside ring を定義し,誘導定理を証明した.その後のBurnside環研究の進展を概観する.

日時:2018年12月19日(水)16:30~17:30 場所:自然科学研究科研究棟3階 数理演習室DC301室 講演者: 上原崇人氏 (岡山大学) 題名:超越的なK3曲面の構成について 概要:本講演では, K3曲面の構成方法を与えて, その性質について言及する. 具体的には, 複素射影平面上での楕円曲線内の9点ブローアップで得られる2つの有理曲面を貼り合わせることでK3曲面が構成されることを紹介する. また, 本構成方法でえられるK3曲面の族は, K3曲面全体の中で超越的な曲面を含む広いクラスを占めており, 周期写像についても計算されることを示す.