集中講義の案内

2008年度


期間:1月26日(月)〜1月30日(金)
講師: 高岡 浩一郎 氏 (一橋大学)
科目名:応用数理特別講義 B
題目:数理ファイナンス入門

講義の概要:
1.金融技術が脚光を浴びている背景について
2.先渡・先物について
3.オプションの商品説明
4.2項モデル
5.Black-Scholes 式の導出
6.離散時間モデルに関する補足
7.アメリカン・オプション
8.エキゾチック・オプション
9.オプション「的」であるとみなせるもの
10.証券化,CDS (credit default swap) や,今般の金融危機について
11.確率解析(伊藤解析),および連続時間モデルに関する簡単な紹介

期間:11月10日(月)〜11月14日(金)
講師: 國分 雅敏 氏(東京電機大学)
科目名:基礎数理特別講義 B
題目: 定曲率空間内の曲面論

講義の概要: 受講者の皆さんは,3次元 Euclid 空間 E^3 内の曲面について,
既に学んだことがあることと思います.本講では,その一般化として,
外側の空間が定曲率空間の場合の曲面の微分幾何の一端を解説します.
 ここで言う定曲率空間とは,その曲率の符号に応じて,
3次元球面 S^3(正曲率の場合),Euclid 空間 E^3 (曲率 0 の場合),
双曲型空間 H^3(負曲率の場合)といった3次元空間のことを指します.
 講義の序盤では,ひとつ次元の低い S^2, E^2, H^2 の幾何学的性質の違いを
見ることから始めて‘定曲率空間’の雰囲気をつかんでもらい,後半では,
E^3の曲面論と比べながら定曲率空間での曲面論を紹介する予定です.

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期間:7月14日(月)〜7月18日(金)
講師: 森 真 氏(日本大学)
科目名:応用数理特別講義 A
題目: 力学系とエルゴード理論入門

講義の概要: 物理と数学は相互に刺激し合いながら発展してきました.今回は,力学系の理論の初歩的な解説を紹介します.
1) 力学系の紹介(ニュートンの運動方程式,線形微分方程式)
2) 位相力学系と平衡状態の力学系(エルゴード理論)
3) カオス
4) 力学系の数論への応用

期間:7月7日(月)〜7月11日(金)
講師: 石川 剛郎 氏(北海道大学理学研究院)
科目名:基礎数理特別講義 A
題目: Hilbert 第16問題とその周辺

講義の概要: Hilbert16問題とは何か?どういうことが知られているか? どのような方法で調べられているか? その概要を説明し,関連する研究を紹介する.
1.Hilbert 第16問題とは.
 実代数多様体の相対位相形(イソトピー形)
2.実代数曲線のトポロジー.
  Harnack の不等式,M-曲線,Bezout の定理,   複素化,対合,知られている位相的分類結果
3.実代数曲線の構成とパッチワーク
  Harnack 曲線,Viro のパッチワーク,特異点の摂動,
4.実代数多様体の位相的制約.
  Petrovskii の不等式, Rokhlin の合同式,Petrovskii-Oleinik 不等式
5.トロピカル幾何とパッチワーク.
6.その他の話題.

参考文献:特異点の数理 第4巻「代数曲線と特異点」第II部「実代数幾何学と
特異点―Hilbert 第16問題とその周辺」−石川剛郎、齋藤幸子、福井敏純著

期間:6月30日(月)〜7月4日(金)
講師: 秋山 献之 氏(福岡大学)
題目: 対称デザインと差集合

講義の概要: 20世紀初頭に統計の一分野から始まったデザイン理論は,様々な分野と関連して発展してきた.この講義では,特に対称デザインに限定して,その基本的な概念や手法,未解決問題等を解説する.また,特別な自己同型群をもつ対称デザインの存在については,その群のある部分集合の存在と深く関わっており,対称デザインの議論に,代数的議論が有効であることを紹介する.
期間:6月16日(月)〜6月20日(金)
講師: 小澤 徹 氏(北海道大学大学院理学研究院)
題目: 非線型シュレディンガー方程式の散乱理論の解説

講義の概要:
1. 非線型シュレディンガー方程式の紹介
2. 初期値問題、ストリッカーズの評価
3. 対称性と保存則
4. 散乱問題
5. 擬共形不変性に関する話題

教科書
堤誉志雄 「偏微分方程式論」培風館

成績評価
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