集中講義の案内

2009年度


期間:11月16日(月)〜11月20日(金)
講師: 松本 裕行 氏(名古屋大学大学院情報科学研究科)
科目名:応用数理特別講義 B
題目:一般化逆ガウス分布とガンマ分布の関係について

授業の概要:
重要な確率分布である一般化逆ガウス分布,ガンマ分布
について基本的事項を述べた後,これらの確率分布が
ある変換の下で独立性を保つこと,およびこの性質が
これらの確率分布の特徴付けを与えることを述べる.
tree を用いた結果の一般化についても述べたい.また,
結果の一部が正値対称行列の空間上の一般化逆ガウス
分布に対しても成り立つことを述べる.
期間:11月9日(月)〜11月13日(金)
講師: 谷口 隆 氏(神戸大学理学部)
科目名:(大学院集中講義)理学特別講義B16
題目:高次合成則入門

授業の内容:
整数係数の2元2次形式の集合には『合成則』を考えることができる.この合成則は約200年前,Gaussによって詳しく調べられた.一方,整数係数の2元3次形式は,3次環と対応することが知られていた.最近Bhargavaは,Wright-Yukieによる先駆的研究をもとに,これらの対応が他にもたくさんあることを発見し,美しく体系的な理解の仕方を提示した.今回の集中講義では,これらの理論とその応用について,入門的なところから解説する.
授業計画
1.整数論入門
2.2元3次形式と3次環
3.2元2次形式の合成則と2次環のイデアル類
4.Wright-Yukie理論
5.4次環の分類
6.2次環と関連する様々な合成則
7.3次環と関連する様々な合成則
8.応用
参考文献:
Ireland, Kenneth; Rosen, Michael, A classical introduction to modern number theory. Second edition. Graduate Texts in Mathematics, 84.
Cox, David A., Primes of the form $x^2+ny^2$. Fermat, class field theory and complex multiplication. A Wiley-Interscience Publication. John Wiley & Sons, Inc.
Wright, David J.; Yukie, Akihiko, Prehomogeneous vector spaces and field extensions. Invent. Math.
Bhargava, Manjul, Higher composition laws. I--IV. Ann. of Math.

期間:10月26日(月)〜10月30日(金)
講師: 坂口 茂 氏(広島大学大学院工学研究科)
科目名:応用数理特別講義 A
題目:不変な等温面と領域の幾何

この講義に関する詳細(PDF ファイル)
期間:10月19日(月)〜10月23日(金)
講師: 脇 克志 氏(山形大学理学部)
科目名:基礎数理特別講義A
題目:置換群の計算アルゴリズム

授業の目標:
代数構造(今回は、特に有限群)を計算機を用いて解析する場合に必要となる、 基本的な考え方を修得することを目標にします。
具体的に与えられた有限群を、計算対象として計算機の中で定義して、その有限 群の情報取得や部分群の構成方法を修得します。
授業の内容:
講義は、Derek F. Holt 他著、 ``Handbook Of Computational Group Theory'' (Discrete Mathematics and Its Applications)
の第4章の内容を中心に特に置換群の構成と解析方法を 紹介していきます。 全体の流れは以下の通りです。
1. 計算機による有限群解析の歴史
2. 有限群の基本定理の復習
3. 有限群の定義方法
4. 計算しやすい置換群の定義方法
5. 置換群の間の準同型写像の計算
6. いろいろな部分群の構成方法

期間:6月10日(水)〜6月12日(金)
講師: 齋藤 幸子 氏(北海道教育大学旭川校)
科目名:(大学院集中講義)理学特別講義B15
題目:実K3曲面のモジュライ空間

講義の概要:
反正則対合を持つK3曲面を実K3曲面という.
例として,P3における非特異実4次曲面や,非特異実6次曲線で分岐するP2の2重 被覆などがある.実6次曲線や実4次曲面の位相を問う問題は,ヒルベルト第16問
題の主要部分であった.Kharlamovは,K3曲面の複素構造の変形と,周期写像に 対する局所トレリ定理を用いて,いくつかの位相型の実4次曲面の存在を証明し
(1976),実4次曲面の位相的分類を完成した.その後,Nikulinは,K3曲面に対す る大域的トレリ定理を用いて,射影的実K3曲面の大域的モジュライ空間の連結成
分と,対合をもつ格子の同型類が,1対1に対応することを証明した(1979). この講義では,このNikulinの仕事とその意義を中心に解説いたします.

参考文献:
特異点の数理 第4巻「代数曲線と特異点」第II部「実代数幾何学と 特異点―Hilbert 第16問題とその周辺」−石川剛郎、齋藤幸子、福井敏純著
V.M.Kharlamov, The topological type of singular surfaces in RP3 of degree four, Funct.Anal.Appl. 10,295-305 (1976)
V.V.Nikulin, Integral symmetric bilinear forms and some of their applications, Math. USSR Izv. 14-1, 103-167 (1980).

期間:6月1日(月)〜6月5日(金)
講師: 梅原 雅顕 氏 (大阪大学 大学院理学研究科)
科目名:基礎数理特別講義 B
題目:特異点をもつ曲線と曲面の幾何

講義の概要:
波面の幾何学という題材で,曲線や曲面に現れる特異点について, 位相的な視点,幾何的な視点の両面から解説する.
履修条件・受講条件:
多様体論の基礎を前提とした講義を行う. 曲線・曲面の微分幾何について,初歩的な知識が あることが望ましい.
講義内容:
平面曲線や空間曲面を,波面と見なしてその時間発展を考えると, 一般に特異点が現れる.
この講義では,まず,曲線・曲面の微分 幾何を簡単に復習したあと,波面に現れる一般的な特異点の位相 的特徴付けについて説明する.
さらに筆者等の最近の研究として, 特異点論の微分幾何学的な新しい視点について紹介したい.
授業計画:
おもに以下の項目について講義を行う.
・平面曲線の基本事項(縮閉線と特異点)
・3/2-カスプの判定法
・曲面に現れる特異点の紹介
・特異点のまわりのガウス曲率の振るまいと,
・波面へのガウス・ボンネの定理の一般化.