主の仕事部屋

物質の内部にある電子の器(電子状態)を調べることによって、その物質の 示すいろいろな性質の起源を明らかにしようとしている。そのための手段と して、おもに、光電子分光法を使っている。


道具箱

UPS装置
無停電電源装置ではありません。紫外光電子分光法もUPSと呼びます。 紫外光を物質に照射して出てきた電子を解析することによって、物質の 内部のようすを調べる装置。

軌道放射光実験施設
電子を真空の輪の中に閉じ込め高速で回転させると赤外からX線までの 連続光が得られる。この光をいろいろな目的に利用するための大掛かり な実験施設。日本に現在数箇所存在する。 愛知県 岡崎市 にある 岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所 極端紫外光実験施設UVSOR もその一つ。もちろん、光電子分光のための光としても使われている。
光電子分光
光を物質にあてる(照射する)と光のエネルギー(あるいは、波長)に よって、いろいろなことが物質の中で起こる。エネルギーが小さい(波 長が長い)ときには、物質の中の分子・原子の回転や振動を引き起こす。 エネルギーが少し大きくなる(可視・紫外光)と物質の中の電子が、エ ネルギーの高い器(状態)に移動する。さらに光のエネルギーが大きく なると物質の中の電子が物質の外へ飛び出してくる。これを「光電効果」 と言う。この飛び出してきた電子のエネルギーや方向を調べると、この 電子が、元々物質の中のどこにいたかがわかり、物質の中にどんな電子 の器(状態)があるかがわかる。
光電効果
data base for phthalocyanine
仕事の関係で作成した文献データベースです。 MicrosoftのEXCELで作成しています。内容は、
著者名、雑誌名、巻、始ページ、終ページ、発行年、 論文タイトル、キーワード、アブストラクト 収録件数3306(2000年8月9日)
です。ただし、かなりの量がまだ抜けていますし、 孫引きをしているため古いものは、全てのレコードが記されていない場合 もあります。必要でしたら、取っていってください。ただ、持っていかれたら メール をいただけると幸いです。
フタロシアニン文献データベース phthalocyanine.zip (718KB) (pc.xls 2154KB)


仕事机

卓上ファイル(研究テーマ)

  • 大きなπ共役系を持つ有機化合物の電子構造
有機化合物は、炭素による骨格を基本的に持ち、結合の仕方の違いやその他の原子と の結合することによって簡単なものから複雑な化合物まで無限に存在する。日常生活 においては、さまざまなところで利用されており、それだけいろいろな性質を持つ有 機化合物が存在すると言うことでもある。そのなかで、π共役を持つ有機化合物は、
  • 色を持つ
  • 電気を流しやすい、あるいは、抵抗がゼロ(超伝導)になる
  • 光をだす
などいろいろと変わった性質を示すものが多い。これらの性質には、なんらかの形で 電子が関わっている。したがって、物質の中の電子のようすを調べることで、どの電 子がどのようにして物質の持つ性質に関わっているかがわかる。

  • 機能性物質の電子構造と物性


  • 軌道放射光を利用した機能性物質の物性研究


卓上ファイル(講義科目と内容)

講義ノートもできた。「情報処理」は輪番制のため、また、「分析化学Y」 は専門の方が講義することになり、かなり負担が軽減されることとなる。 ただ、大学院自然科学研究科博士前期課程、後期課程の講義が3つ(*o*) 増えた。さらに1999年から、化学専門基礎実験がまわってきた。後学期は、 月曜から木曜まで午後がつぶれる。さらにさらに、2000年から前学期に 化学概論まで担当することになった。2004年の改組でまた増えそう!!

「光と色の化学」 教養科目 コアT自然と情報 1年次前期木・3
(個別科目) 物質の化学P
[授業の目標又は講義概要]
"光"は、現代の我々が快適に生活する上で欠かせないものの一つである。 また、物質の"色"は、光の吸収・反射あるいは発光と密接に関わっている。 光は、照明以外にもネオンサインや電光掲示、信号や交通標識、 音楽やコンピュータのCDディスクの読み取り部分など身近なところで使われている。 一方で、紫外線は、人体に有害な変化をもたらすことが知られており、 それを防ぐための化粧品も開発・発売されている。 これらの現象や機能あるいは物質の変化には、 "化学"が関与していることは言うまでもない。

この科目では、「光とは何か」から出発して、 「どのように色が認識されるか」「黒や白はどんな色なのか」 など身近にある現象や生活の中で使われている光や色について化学的な角度から説明する。

なお、文系学部(文学部、法学部、教育学部)学生対称の講義であり、 高校で化学および物理を学んでいない学生でも理解できるように講義を進める。 したがって、理系学部学生の受講は認めない。 また、文系学部の学生でも今までに化学および物理の既習者には平易すぎる可能性があるので履修の際は十分注意すること。

[注意事項]
大学教育研究センターの改修が終わって大きな講義室が少なくなった。したがって
指定された 講義室の収容人数により受講者を制限する (先着順)。
[授業の内容(学習事項又は講義日程)]
第1週オリエンテーション
第2〜3週光の性質
第4〜5週光の3原色と絵の具の3原色
第6〜7週光と色の関係
第8〜9週黒と白
第10〜15週虹はどうして見えるのか
カラー写真とカラーコピー
染料
顔料、絵の具、塗料
発光
紫外線
授業形態講義
テキストなし
参考書 「色はどうして出るの−ミクロの世界の秘密−」西本吉助・綿谷千穂著 裳華房
「身の回りの光と色」加藤俊二著 裳華房
「一億人の化学15 光が活躍する」日本化学会編 大日本図書
「一億人の化学18 お化粧と科学」日本化学会編 大日本図書
「色のはなしT・U」色のはなし編集委員会編 技報堂出版
「万葉植物辞典」山田卓三・中嶋信太郎著 北隆館
など随時指示する
評価方法 出席状況と試験結果の総合成績による。 特に、出席を重視する。
キーワード 光、色、波、波長、可視光線、三原色、化粧品、絵の具、万葉植物
[この講義の内容を深めたり、広げたりするための指針]
講義内容に関連した資料を配布するので、 各自書き込みを加えて大いに活用して欲しい。
「化学の目で見た世界」 共通基礎科目 基礎セミナー 1年次前期木・5
区分4
[講義概要]
子供のころは、日常の些細なことを見るにつけ不思議に思い 「どうして?」と尋ねて親を困らせたことを記憶している人も多いことだろう。 しかし、成長して世間の荒波(これには受験という大きなものが含まれる) に揉まれるうちにいつしかこの人間が本来持っている知りたいという欲望を忘れて (忘れさせられてと表現した方が正しいかもしれないが) しまった人がほとんどだろう。このセミナーでは、 簡単な実験と結果の考察をとおして日頃何気なく生活している我々の身近な部分に潜む 「化学」に関係する不思議を解き明かしていくことで、 自然科学の原点である「なぜ?」「どうして?」 を取り戻すことを大きな目標とする。

このセミナーは、通常の講義のような教官から学生への一方通行的なものではない。 したがって、実験をして結果に考察を加えさらに学生どうしが議論するなど体と頭を働かせることが大切である。 実験は次のようなものを行なう予定であるが、詳細は受講者のようすをみて決定する。

虹とスポットライト吸水性ポリマー石鹸の合成蛍光(ほたるの光?)
花の色化学隠顕墨草木染め葉脈の栞
[履修上の注意]
出席状況とセミナーへの貢献度で成績を評価するので、 試験は行わない。
科目分類時間割コード授業科目科目コード開講年次 学期曜日・時限選択/必修単位
専門基礎科目 83109 化学概論I 2213131000 1年 前期 月・4 選択 2
授業形態講義と演習
授業の目標 化学の専門教育を受ける上で必要な基礎的な事柄について修得することを目標とする。
授業の内容 以下の事象についてできる限り詳しく、また、演習を交えながら解説する。
  1. エネルギーとは
  2. 素粒子と原子
  3. 原子と原子量
  4. 核反応と核エネルギー
  5. 波動
  6. 光の粒子性
  7. 水素原子スペクトルと電子殻
  8. Bohrの原子モデル
  9. ナトリウム原子スペクトルと軌道
  10. 物質波と電子の波動性
  11. 波動方程式
  12. 水素原子の電子軌道
  13. 原子の電子配置と周期律
  14. 化学結合
キーワード 原子、分子、軌道、周期表、結合、波動方程式
テキスト 特に指定しない。随時、プリントを配布する。
参考文献 以下の著書を参考に講義を進める。
  1. 田中政志、佐野充「原子・分子の現代化学」 (学術図書出版).
  2. W.G. Richards, P.R. Scott "Energy Levels in Atoms and Molecules" (Oxford Science Publications).
  3. M.J. Winter "Chemical Bonding" (Oxford Science Publications).
  4. N.C. Norman "Periodicity and the p-Block Elements" (Oxford Science Publications).
  5. G.M. Barrow "Physical Chemistry" (McGraw-Hill Kogakusya, Ltd.).
評価方法出席状況と試験。
履修上の指導 これまでに受けてきた化学とはかけ離れた概念が多く含まれる。 これまでの既成概念にとらわれないで素直な気持ちで受講してほしい。


引出し1(履歴書)

1986年3月
名古屋大学 大学院理学研究科博士課程(後期)修了(理学博士の学位取得)
1986年4月
日本学術振興会特別研究員 (岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所
1988年4月
財団法人 豊田理化学研究所奨励研究員 (岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所
1989年2月
岡崎国立共同研究機構 分子科学研究所 文部技官
1989年9月
熊本大学 理学部 化学科 助手
1989年10月
熊本大学 大学院自然科学研究科 助手
1996年4月
熊本大学 理学部 化学科 助手
1996年12月
熊本大学 理学部 化学科 助教授として現在にいたる


引出し2(会員証)

日本化学会
UVSOR利用者懇談会
VUV・SX高輝度光源利用者懇談会

本棚(出版物)

2002年
2000年
1995-1999年
1990-1994年
1985-1989年
1980-1984年