2009年度特別演習・数学講究(4年セミナー)


 特別演習は数学の本を読みその内容をセミナー形式で発表していくことを通じて,数学書を読む力,数学的内容を説明する能力を育てることを目的にしています.これは数学をさらに深く学習していくための最も基本になる能力であり,大学院生には必要不可欠な能力です.また教員を志望する人にとっても,数学的内容を説明する能力は重要です.深い理解に裏打ちされた説明が,聞く者の関心を生み出します.
 もう一つ重要なのは,一つのテーマを体系的に掘り下げていくという経験をすることです.個別の定理・証明を理解することを積み重ねていく中で,大きな一つの論理体系が見えてきたとき,数学の美しさを感じられるはずです.学部で卒業していく学生にも,最終年度にそのような体験をしてもらいたいと思っています. 

 2009年度は長野正著「曲面の数学」を取り上げようと思っています.曲面を題材に,微分幾何と位相幾何の基本がコンパクトにまとめられており,興味深い本です.もちろん,受講者の関心によって別の本にしても構いません.研究室にいくつか教科書になり得る本を置いているので,眺めに着てください.

 私のセミナーの分野は小林先生,安藤先生と重なります.そちらの話も聞きながらどのセミナーを受講するのか判断して下さい.