Research

 

金属錯体を用いた磁場応答性分子性導電体(π−d系)の開発と物性測定

分子性化合物を用いた機能性物質の開発と物性に関して研究しています。

 通常の有機化合物・錯体分子は電気伝導性が著しく低い「絶縁体」です。これは各構成分子のπ電子軌道のHOMOには2つの電子が存在していることから、分子集合体において形成されるHOMOバンドが完全に満たさるためです。

しかし、このHOMOバンドから部分的に電子を引き抜くことができれば有機化合物・錯体分子も「金属」としての物性を発現します。これが「有機導電体」「分子性導電体」と呼ばれるもので、数十年前から我が国が世界をリードする形で研究が進んでおり、有機化合物で超伝導体を作り出すことも可能なことが明らかになりました。

 さらに、「分子性導電体」に磁性イオンを導入したπ−d系と呼ばれる物質では、電気伝導性を外部磁場により制御し得ることがあります。π−d系の構成分子として、同一分子に電気伝導性を担うπ電子と磁性の源となるd電子の両方を含んだ金属錯体は理想的なものになります。

 金属フタロシアニンという広いπ共役系を持つ金属錯体を用いて分子性導電体を作製することで、分子に由来した様々な特異な性質と、単一分子に由来する負の磁気抵抗効果として世界で最大のものを発現させることに成功しました。 詳細

新しい機構に基づいた有機薄膜素子の特性制御の試み

 最近、有機発光素子・有機光電変換素子にSCO錯体を組み込むことで、素子特性制御を可能とすることに成功しました。この現象の機構解明とともに、新たな現象の探索を行っています。 詳細

分子性導電体を用いた素子作製の試み

バルクでの物性研究が盛んに行われている分子性導電体を素子に活用することができないか、その可能性を探索しています。