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ブルノ訪問記 (最終日)

26日は、Moss2005の最終日。午前中はオルガネラ関係を中心とした口頭発表であり、これで全発表が終了した。発表を聞いていると、パワーポイントになった発表がだんだん進化してきているのを感じる。具体的に言うと、一枚のスライドをそのまま最初から全て出すのではなく、テンポよく重要な図なりコメントなりを出しつつ注目させていくやり方が洗練されてきている。口頭発表終了後、現在進んでいるヒメツリガネゴケのゲノムプロジェクトの進行状況と、遺伝子名の命名法等に関するScientific Discussionおよび来年度の開催地などを決めるビジネスミーティングがあった。来年度は、UC Berkeleyで2006年の6月ごろに行われる予定であり、この時にヒメツリガネゴケ・ゲノムプロジェクトを完了させることになるのだと思われる。既に各シークエンスは基礎生物学研究所のホームページで検索できるようになっている。Contigがつながった後の、研究の進展が楽しみである。ちなみに、今回のMoss2005のプログラムはhttp://www.biology.wustl.edu/moss/moss2005.htmlで見ることができる。

午後は半分程の人数でエクスカーションへ行った。まずは、丁度200年前の1805年にナポレオンがロシア軍とオーストリア軍を撃破したアウステルリッツを見に行った(写真5)。その後、無名戦士の慰霊所のようなところを見てから、スラブコフ城の見学を行い、その後、ワインセラーへ。ここでも生演奏が入っていたのだが、驚くことに初日にメンデルセンターで生演奏をしてくれたバンドであった。バンド名はVarmuza Cymbalom Ensembleというらしい。ワインとともにその演奏を堪能した(写真6)。この日も帰りは12時過ぎであった。27日には朝にブルノを発ち、列車でウィーンへ。そのまま空港に直行して、関空に帰ってきた。ブルノのホテルを出てから熊本の自宅に着くまで、約20時間の長旅ではあった。今回はIBC、Moss2005と2つの会議に出席するとともに、メンデル博物館を訪ねることもできた大変有意義な旅であった。メンデル像と写真を撮ることもできたし(写真7)、これからの自分の研究をもう一度深く考えるきっかけとしたい。ブルノの街(写真8)は治安も良く、またウィーンなどからも近いので、ヨーロッパに行かれた際にはブルノのメンデル記念館を訪ねられることをぜひお勧めしたい。

写真 5 1805年12月2日という字が見えるオスターリッツにあった説明文

写真 6 バンドマンの方々

写真 7 メンデル像と私

写真 8 スピールベルク城から見たブルノ市内

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