はじめに

 ここでは、物理学コースでどのようなことを学ぶことになるのかかいつまんでお話します。力学、電磁気学、熱・統計力学、量子力学、物性物理学、物理数学の各講義・演習と、物理実験についてです。

力学

科目名
基礎力学(2年前期)
力学(2年後期)
力学演習(3年前期)
解析力学(3年前期)
 投げたボールはどう飛んでいくか、惑星は太陽の周りをどのように運動するかなど、物体の運動を扱うのが力学です。特に17世紀のアイザック・ニュートンが創始したニュートン力学は物理学、ひいては自然科学全体の基礎となる重要な学問です。講義は大きさを持たない質点の運動から始まり、複数の質点からなる質点系、大きさを持つ剛体など次第に複雑なシステムを扱っていきます。また、ニュートン力学を数学的に整備した解析力学は量子力学はじめ現代物理学を学ぶ上でも重要な科目です。

電磁気学

科目名
基礎電磁気学(2年後期)
電磁気学(3年前期)
電磁気学演習(3年前期)
 方位磁針や静電気、雷など、電気・磁気現象は身近に溢れており、様々な法則が発見されてきました。それらの法則は19世紀にマクスウェルによって美しい4つの方程式にまとめられ、さらに電磁波の存在が予言され実際に発見されました。力学と並んで現代物理学の基礎となり応用範囲も広い重要な科目です。

熱・統計力学

科目名
熱力学(3年前期)
統計力学I(3年後期)
統計力学II(4年前期)
熱統計力学演習(4年前期)
 1 cm3の空気の中には10の20乗個もの分子が存在しますが、空気の性質や運動を理解するために全ての粒子の運動を追う必要はなく、またそれは不可能です。個々の粒子の運動を考えるのではなく、温度や圧力、体積など粒子の集団としての性質を扱うのが熱・統計力学です。特に統計力学は個々の粒子の性質や運動を統計的に扱い、原子分子のミクロな世界と日常のマクロな世界を結びつけるもので、物性物理学の基礎となります。

量子力学

科目名
基礎量子力学(2年前期)
量子力学I(3年後期)
量子力学I演習(3年後期)
量子力学II(4年前期)
量子力学II演習(4年前期)
量子力学III(4年後期)
 原子はどのような構造をしているのか。化学反応はどのようにして起こるのか。原子や分子などミクロの世界では私たちの感覚に反するような現象が起こります。20世紀前半に確立された量子力学は物理学に革命を起こし、化学や生物学など自然科学全体に大きな波及効果をもたらしました。半導体やレーザーなど産業への応用とともに、相対性理論と結びついて原子よりも小さな素粒子を探る手段の基礎になるなど、量子力学は現代物理学を支える大きな柱となっています。

物性物理学

科目名
物性物理学I(4年前期)
物性物理学II(4年後期)
 私たちの身の回りの物質は、様々な性質を示します。電気を流しやすかったり、熱が伝わりやすかったり、あるいは非常に堅かったりするなど様々です。でも、これらの「物性」は一体どのようにして発現しているのか、説明することができるでしょうか?
 物性物理学では、量子力学及び統計力学に基づいて、物の性質が発現する原理を学びます。

物理数学

科目名
基礎物理数学(2年後期)
物理数学(3年後期)
コンピュータ物理学(3年後期)
基礎数理物理学(4年前期)
 物理学は数学の言葉で書かれています。微分積分やベクトル・行列を基礎とし、微分方程式、ベクトル解析、特殊関数など、物理法則を記述したり問題を解いたりするために必要な数学を学びます。また、近年ではコンピュータによって複雑なシステムをシミュレーションしたり、大規模なデータを解析したりということが重要になっており、プログラミングの基礎も学びます。

物理実験

科目名
物理実験学(3年前期)
物理実験A(3年前期)
物理実験B(3年後期)
 物理学は、実験による観測を通じて、⾃然界の複雑な現象の中から普遍的な法則を明らかにする学問であり、その意味で、物理実験は非常に重要な科目として位置付けられます。物理実験学では、物理実験を行う上で必要な基本的知識、具体的には、誤差論、真空技術、電気的測定、エレクトロニクス、低温技術、光学測定などについて講義形式で学びます。物理実験ABは、実験科目であり、1・2年次の物理実験を踏まえ、より発展的・専門的なテーマに実際に手を動かして取り組みます。具体的なテーマは、スペクトル分光の実験、光学の実験、蒸着薄膜の実験、X線回折の実験、半導体デバイスの実験、電気伝導の実験、電気回路の実習、プログラミングの実習です。

卒業研究

 4年生になると研究室に所属し、卒業研究に従事します。それまでに学んだ物理学の基礎をもとに、1年間かけて最先端の研究テーマにじっくり取り組みます。すでに知られていることを学ぶのではなく、答えがあるかわからない未解明の問題に挑戦することはとてもワクワクする知的な冒険です。熊本大学物理学コースには物性物理学、宇宙物理学、素粒子物理学など様々な研究室があり、希望に基づいて配属されます。