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宇宙・地球物質物性学、結晶学教室(吉朝研究室)

 

キーワード:宇宙地球物質、原子レベル構造とマクロな挙動、極限環境・極限条件下その場観測実験、鉱物の不思議な性質、最先端技術・先端材料開発、実験とシミュレーション、固体に残された過去の履歴解読

 

高温高圧下、高純度雰囲気下での鉱物結晶や融体、アモルファス物質の合成と物性測定・その場観測

超高温高圧下で安定な不思議な性質を持つ物質や新合成鉱物を探索・発見しました。
超高純度条件下で新しい超伝導物質を発見しました。
太陽系の始源物質に含まれるKr(希ガス元素。原子番号36)やXe(希ガス元素。原子番号54)の再現物質を合成しました。

 

下部マントル(深さ660km以下)構成物質ならびに関連物質の電気的・熱的特性、マントルのダイナミックス  

下部マントル(深さ660km〜2890km)は超イオン導電特性をもつ鉱物からできています。
マントル構成鉱物と関連物質の電気伝導度や誘電率を測定して地球内部の構造についての情報を得ています。
ラージポーラロンによる伝導と酸素イオン伝導、プロトン(陽子)伝導をマントル物質や関連物質が持つこと調べています。
実験から得られた情報を基に地球深部のダイナミクスを調べています。
マントルの温度構造や熱移動についての物質科学的研究をしています。

 

ダイナミックな原子の挙動、化学結合性、ミクロな構造・組織、マクロな性質

同じ元素からできた物質でも構造や組織が変われば、物理的化学的性質が大きく変化します。
原子間の有効ポテンシャル(簡単に書くと原子同士の力の働き方)を実験から決定します。

イオン拡散の際のイオンの移動の様子や格子振動の詳細、原子の熱振動の非調和性や化学結合性の詳細を明かにします。
微量元素やゲスト元素などの占有している席の局所構造を決定します。
わずかな量でもホスト物質の物理的化学的性質や原子レベルの挙動を変えることがあります。
希ガスのような微量に含まれる元素の化学結合性と局所構造(調べる元素の周りにどんな元素がいくつあるか)、占有席、熱による脱出挙動を明らかにします。

 

地球を構成する主要な鉱物(造岩鉱物)の精密構造決定、正しい化学式や安定領域(温度・圧力条件下など)の決定

 造岩鉱物間や融体等との元素の分配や物質の物理的化学的性質を調べています。
空間群(結晶などの原子・イオン配置の規則性)の決定、水素原子などの軽元素の結晶格子中での位置など、高い精度で構造を決め、化学式を見直しています。
新鉱物探査も始めています。

 

固溶体の特性と局所構造、不純物の効果

 物質の性質の中には、構造に大きく依存したものがあります。不純物や欠陥量、固溶体を形成することで、物性値が数桁変わることがあります(例としてはコンピューターに使われる半導体のSi(シリコン)があります)。
各不純物元素についての局所構造情報や物性の発現機構をX線吸収分光法(XAFS)など先端技術・先端材料を駆使して調べます。

 

融体や溶液中の原子の高温高圧下での急激な局所構造変化と物性

 融体やマグマ、ガラス、溶液中の原子には、圧力変化に伴う、配位数(ある原子・イオンの周囲に何個他の原子・イオンがあるか)と原子間距離の相転移に似た急激な変化があることを発見しました。
原子レベル構造の変化は密度や粘性、元素分配などの急激な変化として現れ、マントル中でマグマの特性や岩石学的なモデル化に重要な情報を与えます。
原始地球のマグマオーシャンの層構造や現在の下部マントルでの元素の分配挙動や移動、温度構造などの問題にも取り組んでいます。

 

固体に残された過去の履歴解読

生物の大量絶滅や進化の謎、環境微量元素挙動を固体などに残された過去の履歴を解読することで調べています。

 

 

隕石口に残された情報解読   天草のイルカ親子         恐竜絶滅と隕石衝突 (ヒ素の重要情報)

中生代(約2億5000万年前〜約6500万年前)-新生代境界(K-T)粘土中の微量元素


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