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熊本大学 理学部

理学部について

学部長あいさつ

『なぜだろう』から始まる理学の学び

熊本大学理学部長 入江 亮熊本大学理学部長
入江 亮

問い続けることが、未来をつくる。

 「理学」とは、「なぜだろう」という問いを大切にし、「知りたい」という気持ちを原動力として、自然の理(ことわり)を明らかにする学問です。目の前の現象をただ受け入れるのではなく、その背後にあるしくみや関係を理解しようとするところから、理学の学びは始まります。

 たとえば、身の回りで起こる自然現象や、生き物に見られる多様な生命現象、物質のふるまいやエネルギーの変換、AIを支える数理のしくみ、さらに地球や宇宙の成り立ちに関する問いなど、身近な関心から壮大な問題に至るまで、理学は多様なスケールで自然を探究する学問です。そこでは、数学が自然を理解するための共通の言葉として重要な役割を果たしています。

 本学部では、一学科制のもと、数学と自然科学の基礎を体系的かつ幅広く学ぶことからスタートします。学びを進める中で、数学、物理、化学、生物、地学といった分野は、それぞれが独立しているようでいて、実は深く結びついていることに気づくでしょう。たとえば化学では、目に見える変化の背後で、分子や電子の振る舞いが物理学の原理と深く結びつきながら、新たな物質や性質を生み出しています。こうした理解は、やがて応用や最先端の研究へとつながっていきます。

 ノーベル賞受賞者である福井謙一博士が、終生の師である喜多源逸博士から受け継いだ「応用をやるなら基礎をやれ」という言葉が示すように、しっかりとした基礎の積み重ねこそが、新しい発見や創造を支えます。理学部では、その基盤となる力を大切に育てています。

 これまで本学部からは、研究者や技術者だけでなく、中学校・高校の理科や数学の教員、公務員、企業、金融、マスコミなど、さまざまな分野で活躍する人材が育ってきました。理学で身につけた考え方は、社会のさまざまな場面で生かされています。

 変化の大きい現代社会においては、物事の本質を見極める力がますます重要になっています。理学に基づく思考力と広い視野を身につけ、地域社会から国際社会に至るまで、それぞれの分野で社会に貢献できる人へと成長してほしいと願っています。

 熊本大学理学部で、「なぜだろう」という問いを大切にしながら、自分だけの興味や関心を見つけ、その理解を少しずつ積み重ねていってください。その積み重ねが、皆さん自身の未来を形づくっていきます。皆さんの可能性が大きく広がっていくことを、心から期待しています。