研究内容 (Research Overview)
原子レベルで制御された極薄の二次元物質や極細の一次元物質。そこには、バルク(巨視的)物質では見られない、量子力学的効果に裏打ちされた驚くべき物理現象が潜んでいます。
当研究室では、先端的な材料合成・デバイス作製技術と高度な物性計測を駆使して、ナノスケールの世界で繰り広げられる新しい物理現象の根本原理を解明するとともに、次世代の半導体デバイスや量子コンピュータ開発につながる機能性ナノデバイスの創製に挑戦しています。
炭素原子1個分の厚みであるグラフェンの研究(2010年ノーベル物理学賞)を契機に、二次元や一次元的な結晶構造を持つ低次元材料が大きな注目を集めています。 特にMoS2などの遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)は、微細化が限界を迎えつつあるシリコンに置き換わる次世代半導体材料として研究が進んでいます。 様々な低次元材料の基礎物性解明を進めることで、次世代半導体・ナノデバイスの基盤技術を開拓していきます。
ナノスケール特有の電子物性やスピンが絡む興味深い量子現象に迫るためには、先端的な微細加工技術に加えて、革新的な計測・解析技術の探索が必要とされます。 走査プローブ顕微鏡による先端計測・ナノ加工や放射光施設を用いた局所分光計測など、分野の垣根を超えた技術開発に興味を持っています。 また、最新のデータサイエンスや量子計算を実験的研究と融合させることにより、未来の量子ナノデバイス応用に向けた基盤形成に貢献します。
量子コンピュータはナノ世界で実現される量子重ね合わせ状態を活用したものであり、量子力学の原理を応用した夢のコンピュータです。 現在、世界レベルで急速に研究開発が進んでいますが、基礎研究から社会実装へとつなげるためには、多くの分野の研究者や産業界の協力が不可欠です。 特に半導体方式(スピン量子ビット)を中心に、基礎科学分野の立場から社会実装へ接続するための研究活動を展開します。