植物は何故このように美しいのか
人々を魅了する花々。より美しい植物、より魅力的な植物を生み出すために、育種家たちは、さまざまな交配・選別を重ね、多くの園芸品種を生み出してきました。現在では、これまでにはなかった青いバラまでが登場し、分子育種による様々な品種も登場しています。それでは、このような植物の形は、どのように決まっているのでしょうか。何故、桜の花びらは5枚なのでしょうか。私たちは、このように、植物の形作りに必要な、基本的な分子機構の解析を行っています。
植物は、器官を切除して培養することや、分化全能性をひきだすことが容易であることから、いかにも各器官、組織、細胞が自律分散的に生きているように見える。しかし、中枢神経系を持つ動物のような中央管理型の生命形態ではないにもかかわらず、各器官(細胞)の間では確実に情報のやりとりを行っていて、個体としての統一性を保っている。それでは、どのようにして各器官(細胞)の間で情報のやりとりを行っているのか。また、各細胞は、細胞自身の位置情報や、環境、発生プログラムをどのように認識して自分自身を分化させ"個体"を形作っているのか。現在までに動物の空間認識には拡散性の物質がモルフォゲンとして重要な機能を持つことがよくしられている。しかし、植物ではモルフォゲンは同定されておらず、唯一の候補として植物ホルモンであるオーキシンがあがっているのみである。本研究ではこのモルフォゲンを想定した空間認識機構の解析を試み、その分子基盤の構築を目指す。同時に、その空間認識機構がどのように進化してきたのか、多種多様な植物を利用し、分子進化的側面から解析すると共に、動物-植物共生機構の解析による、空間認識機構の機能分化とその分子基盤を利用した農業への応用も視野に入れた総合的な解析を行う。
科学研究費補助金
平成19−24年度
若手研究(S)
CLEペプチドをモデルとした植物モルフォゲンの進化と作用機構に関する研究
科学研究費補助金
平成24−26年度
基盤研究(B)
茎頂及び根端分裂組織の活性制御分子機構の相同性と相違点
特定領域研究
平成23−24年
植物メリステム、茎頂分裂組織のサイズ調節に関わるCLVシグナル伝達系の解析
新学術領域研究
平成23ー24年
環境突破力、CLVシグナル系に注目した、光ストレスによる植物生長制御機構の解明
挑戦的萌芽研究
平成24−25年
植物感染性線虫を用いた分子遺伝学的研究手法の確立
挑戦的萌芽研究(分担;代表 鉄村琢哉)
平成24−25年
メリステム形成制御に関わるペプチドホルモンの園芸的利用の可能性を探る
新学術領域研究
平成22−23年
ゲノム支援
基礎生物学研究所重点共同利用研究
平成22ー24年
シロイヌナズナの根端分裂組織維持機構に関わる遺伝子群の探索をモデル系とした、シロイヌナズナの情報伝達因子の網羅的単離法の確立
不二たんぱく質研究振興財団
平成23−24年
合成ペプチドを用いた大豆シスト線虫・根瘤線虫防御に関する基礎研究
旭硝子財団
平成23−24年
シスト線虫の大豆寄生に関与するCLE ペプチドシグナル伝達機構の基礎研究
三菱財団
平成23−25年度
植物のモルフォゲンを想定したCLEペプチドシグナル伝達系の解析
武田科学振興財団
平成23−24年度
シロイヌナズナの幹細胞機能における細胞間情報伝達機構の解析
畠山文化財団
平成23−24年度
ペプチドホルモンを利用したバイオマスの増大と太陽光高効率利用に関する研究
中部電気利用基礎研究振興財団
平成24年度
研究成果
Betsuyaku S., Sawa, S., Yamada, M. (2011) The function of the CLE peptide in plant development and symbiosis. The Arabidopsis Book. 9. e0149
Kinoshita et al., (2010) RPK2/TOAD2 is an essential receptor-like kinase transmitting the CLV3 signal in Arabidopsis. Development In press.
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