戸田研究室|熊本大学 大学院先端科学研究部基礎科学部門 分析化学・大気化学・環境化学

熊本大学

Research

これまでできなかったことを可能にする新しい分析化学の開拓や,独自の分析デバイスを活用し他のグループでは難しかった取り組みにチャレンジした大気化学・環境化学の解明など幅広い研究に取り組んでいます。

森林大気の化学

森林の木々は,多くの揮発性有機化合物を生成していています。森林浴でその恩恵にあずかることも多いでしょう。植物起源の揮発性有機化合物(biogenic volatile organic compounds: BVOCs)は,人為的(anthropogenic)に発生するAVOCsよりもその発生量が多く,また反応性の高いものが多く含まれます。従って,BVCOsは大気中でさまざまな化学反応を起こし,その結果オキシダントの増幅やアルデヒド類の生成などに寄与しています。

大気粒子の化学

エアロゾルとも呼ばれる大気粒子は科学的にも化学的にもたいへん興味ある対象です。PM2.5が社会問題となってからは一般市民にも関心の高い物質です。しかし,PM2.5の中身の物質はいったい何でしょう?どうやってできるのでしょう?大気粒子に関連する化学物質について新しい切り口で解明に臨んでいます。

火山ガス

火山ガスは,火山の活動をはかるバロメーターのひとつです。研究室で開発したμGAS(micro gas analysis system)を駆使して,火山ガスの長期モニタリングを行ったり,モバイル分析による濃度分布の把握を行っています。特に,火山からの硫黄の発生は人為的な発生よりも多く,湿性沈着や大気粒子の形成に大きく寄与しています。硫化水素や二酸化硫黄のモニタリングは火山だけでなく,有明海干潟から発生する硫黄成分の解析も行っています。バイカル湖のパルプ工場や,デンマークや県内の養豚場で放出される還元性硫黄成分の分析も行いました。

自然環境で生み出される化学物質の不思議

主に現在進行中です。詳細は後程。。。。。。(写真はバイカル湖のフィールド分析調査にて)

マイクロバス分析システム

マイクロチャネルをハニカム状にレイアウトした小型のガス捕集デバイスを開発しました。水溶性の成分を測定するには,空気試料を水に通気して捕集する(インピンジャー)がよく用いられますが,このマイクロチャネルは広い吸収面とごく薄い吸収液層の双方を達成し,インピンジャーの20,000倍もの捕集濃縮効率が得られます。従って,長時間捕集する必要もなく,極低濃度のガスを連続的に分析することが可能になりました。また,小型のバッテリーで駆動し,モバイル分析できることも大きなメリットです。
μGASを構成する要素技術として,先のマイクロチャネルスクラバーのほか,マイクロ蛍光検出器,マイクロ流量センサ,マイクロ流量制御バルブ,マイクロ標準ガス発生器,などさまざまな周辺技術を確立しています。

マイクロイオン抽出デバイス

マイクロイオン抽出デバイス micro ion extractor

遠心分離や除タンパク操作を行うことなく,そのまま目的成分を取り出すデバイスです。全血を直接分析するため,採血は1滴だけで十分です。

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